香川家長屋門

kagawake_01岩国藩五家老の一つ、香川家の長屋門。元禄6(1693)年に香川正恒(かがわまさつね)が建立しました。当時の武家屋敷の構えをよく残しており、山口県の文化財に指定されています。

香川家には、この長屋門のほかに通用門、平時門などもあり、身分、用件などによって使い分けられていたことを伝承しています。

香川家長屋門の設計・建設は、大工の大屋嘉左衛門(おおやかざえもん)が行ったと云われています。大屋嘉左衛門は、18歳で吉川広嘉の錦帯橋架橋事業に参加しており、元禄時代の大橋(錦帯橋)の架け替えでは棟梁を務めた人物です。大屋嘉左衛門による元禄12(1699)年の図面は現存する最古の錦帯橋設計図で、平成の錦帯橋の架け替え事業(2002〜2004年)は、この元禄期の設計図を規範として行いました。

香川家長屋門が建築されたのは、大屋嘉左衛門が円熟期の38歳のときにあたります。長年の風雪にもびくともしない、その重厚な頑丈な造りからは、当時の城下町に在住していた大工たちの技巧がいかに優れていたかが想像できます。

【所在地】〒740-0081 山口県岩国市横山2丁目
【TEL】0827-41-0452